「強羅花扇」

「強羅花扇」
立ち上げから最近までいた愛着ある旅館です。全室に源泉かけ流しの客室露天がついています。写真をクリックすると口コミ(じゃらんネット)がご覧いただけます。

2009年9月28日月曜日

パーソナルサービスするために PART1

 個人のお客様は10組いらっしゃればそれこそ10組十色です。それぞれに人間性や趣味、性格、宿に期待するものが違います。
 我々サービスマンは、難しいとわかっていてもこの10組十色のお客様に感動を与えるため、チェックアウトまでの限られた十数時間内で立ち向かわなければならないのです。いわば勝負です。

 簡潔にお話ししますと、その時必要になるのが「パーソナルチェック」です。お客様を観察して得た推察情報ですね。情報が多ければ多いほど、そのお客様が望むご滞在を提供しやすくなるのは当然です。
 チェックインの際我々に与えられた情報は、予約時の情報のみです。ですので、評判の良いお宿さんほど予約の際の電話応対やリピート情報を大切にしますし、情報を引き出す、構築する事に時間とお金をかけています。
 一例をあげますと
 中年の女性からの1本の電話。「今度お母さんを連れて泊まりたいんですが、和洋室のお部屋はあいていますか?」旅館・ホテルの予約電話で多いパターンです。
 優れた予約係さんですとこの1本の電話から
1.何かのお祝?それとも誕生日?
2.お母さまは何歳くらい?和洋室ご希望という事はお部屋に高座椅子を用意した方がいいかしら?
3.女性の方は電車でお見えのことが多いからお迎えの件を伺おうかしら?
4.お母さまが高齢だとCチェックイン前にご到着もありうるわね。C/I時間と前日の状況次第では多少早めでもお部屋のご用意をさせていただこうかしら?
5.お食事の好き嫌い、硬いものはお苦手か?椅子席の方がいいのかもお聞きしなければ?
位は瞬時に考え、情報を聞き出します。
又セレブ系なのか、おっとり系なのか、神経質系なのかなども判断しサービスに情報をくれます。

 我々はその基本情報を基に、接客しながらさらなる情報を蓄え、最終的にご出発になるまでのドラマを演出するのです。
 伝統的な言葉でいうと「目配り」、最近の言葉では「パーソナルチェック」です。

次回にはこの情報の活用法を接客現場からリポートいたします。

愛すべきサービスマンⅠ「T君」

T君が私のいたホテルに来た時、確か25歳だったと思う。髪の毛は短髪のツンツン頭。顔はサービスマンの柔和な表情を作るには最も難しいだろうと思える造作。おまけにしゃべりは「早口」「ぶっきらぼう」。総支配人からの配属指示は「フロントでお願いします」
 正直途方に暮れた・・・・・・サービス業が初めてなのは全然気にならない。人物がすべてだから。
取り敢えずすぐお客様にアテンドして貰うわけにもいかず、研修と称しナイトクラブへ入ってもらった。その間必死に長所を探した。
 意外だったのは、外見から想像しずらいが非常にまじめだった。決して積極的にまじめだとか、堅物だとかではない。唯単に「まじめ」なだけだが・・・・
 そんなT君だが、フロントの人数が圧倒的に不足していたので、わずか2週間程で現場に出さなくてはいけなくなった。当面私が教えられることは全て教え、無理だとわかっていても、笑顔の作り方や、絶対に出来ないと知ってはいたがフロントマンに必要な所作も教えた。

 初出勤当日。想像以上の衝撃だった・・・・・・・・・・・・思い出したくないほど・・・・・・・・
当然と言えば当然だが・・・彼が悪いわけでは決してない。すべては教えきれずに現場に出した私が悪いのだ。
 当時のそのホテルは、チェックアウトやチェックイン時は、都内の飲食店のランチタイムに匹敵するほどの混雑ぶりだった。テンパラない方がどうかしている。
 お客様に観光場所を聞かれ「僕はわかりませんので、あっちの方で聞いて下さい」と逆切れ気味でお客様に言おうが、トイレの場所をご案内する時にジャイアント馬場さん並みの「逆水平チョップ」かと見間違うような手の動きをしようが、みんな私のせいだ。
 でも、繰り返すがT君は「まじめ」だった。まじめに逆切れを繰り返した。まじめに逆水平チョップを日々繰り出し続けた。
 そんな彼だが、ある日「かっこいいフロントマン」になりたくなったようだ。そのためにはもっと頭に余裕を作りたい→その為には仕事を覚えなければならない→その為には聞かなければならない
という彼なりの3段論法で「まじめに」勉強し始めた。質問が増えた。

 今現在彼は同じホテルで、実質のフロントの責任者をやっている。仕事も楽しそうだ。

だからサービスの仕事は止められない。

2009年9月27日日曜日

温泉化粧水の旅Ⅱ「いぶすきの秘密」


指宿温泉は日本唯一の「天然砂むし温泉」で有名な温泉地。しかし、場所によっては湧出する泉質も異なり、美肌温泉も満喫できる温泉地です。泉質はおおむね「ナトリウム・塩化物泉」  「天然砂むし温泉」は鹿児島大学医学部による調査でも、血行を良くして身体を健康に導く(天然サウナ毒だし)という医学的数値での報告をしています。風光明媚な大自然から、各種スポーツ施設、知覧特攻平和会館など歴史との出会いまで見どころ満載のリゾートである指宿温泉で身も心もリフレッシュしてください。

Twitterで若女将が奮闘している、ロケーション抜群の
指宿温泉「指宿コーラルビーチホテル」さん

サービスマンが何故好きなのか?最終章

このテーマを自分で読み返してみて「想い」が「重い」にしか見えませんでした。ですのでサクット纏めちゃいます。

サービスの仕事は難しいから楽しいんです。
サービスの仕事は答えがないから面白いのです。
サービスの仕事は凄いサービスマンが沢山いるから天狗にならなくて済むんです。

サービスの仕事は
       月並みだけど
           「お客様に感謝され、その上お給料まで貰えるんです」
        こんなにいい仕事はありません。
           

甲州ワインと京会席のマリアージュPART2  「強羅花扇 メニュー編」

試食勉強会を開催するにあたり最大の目的は、「お客様の食事時間中の満足度の向上でした」。
世の中の名だたる料理人さんたちには怒られてしまうかもしれませんが、個人的には「我々に仕事は美味しく料理を出す」のではなく「楽しい食事時間を提供する」ことだと考えサーブしサービスにあたってまいりました。勿論どこの施設でもスタッフや経営者の方に言い続けてまいりました。
この考え方の真意はまたの機会にお話しさせて頂くことにして、これはドリンクにも当てはまる考えなのです。

「ドリンクの飲料収入を上げろ!」的な話はどこでも言われております。その対応策は3つ。

 1つ目が安直な料金改定。従来商品が値上げしづらい場合は高額単価を設定できる新ドリンクの導入(例:地ビールやワインなど)
 2つ目はお代りの声かけの徹底。確かにこれは最適のタイミングで実施すれば、サービスの一つでもありますので徹底する必要はあります。
 でも顧客満足(CS)向上の観点から考えますと、最良の手立ては「お客様に心地よく食事をお召し上がりいただける“空間”“時間”を創りだすこと」なのです。
 皆様もご経験があると思いますが、食事が楽しければお飲み物がススムのです。
勿論簡単なことではないのですが、満足度の向上とともに飲料単価が上がるのは事実です。
               サービスする楽しみがわかる一瞬でもあります。

 本筋に戻りますが、ドリンクにおける満足度で大きなウェイトを占めるのが品揃えです。特にお酒は嗜好品と呼ばれるほど好き嫌いがありますので、飲みたいお酒があるほど嬉しいことはありません。ただし温泉地ですから都会みたいに何でも在庫として抱える事はできません。又一見腐らないように感じるお酒も劣化しますから。
 花扇ではそんな私の考えから≪箱根≫≪季節≫≪料理≫の三基軸から美味しいお酒に辿りついて頂こうと考えました。
 賢明な方はすでにお気づきかと思いますが、先付け、椀、お造り、御凌ぎ、煮物、焼き物、台物、揚げ物、水物の料理それぞれにお奨めのお酒を、ワイン、日本酒、焼酎、カクテルで一品種ご提案してみようと考えたのです。

 結果和食本来の出汁が効いた料理には「甲州種の白の比較的若い年」、飛騨牛には「奥野田EV赤 2006」 がベストマリアージュとわかりました。

サービスマンが何故好きなのか?PART2

PART1で接客は「疲れる」と書きました。誤解のないように追加しますと、私が基本的にぐうたらで、ぐうたら人間が接客という舞台に上がっているからかもしれません。精神、肉体的に健全な生活を営まれている方には当てはまらないのかもしれません。(笑

「団体客から個人客へのシフトを」と言われて久しいですが、接客スタッフ側の視点でいいますと団体のお客様が多い宿の方が“楽”です。
具体例を挙げますと、100室で満室のホテルがあるとします。今日は満室で、全館合わせると300名様がお泊りの日です。そのゲスト内訳は、社員旅行2組・・120名、同窓会2組・・70名
米寿などお祝いのご家族3組・・30名、コンパニオン付宴会2組・・60名、個人客10組・・20名 計300名様です(尤もこんな日に泊まった個人のお客様は最悪ですが・・現実には12月の第1,2週末などは十分あり得ます)確かに宴会セットやお料理出し、幹事さんとの打ち合わせなど一見忙しく感じます。でも冷静に考えると打ち合わせで注意しなければならないお客様は
団体9件の幹事様だけです(若干御幣はありますが)そうすると9件+10組(個人客)へのパーソナルサービスと大きくは捉える事ができます。その反面100室全てのお部屋が個人のお客さまだった場合は100組のそれぞれの考え、嗜好をお持ちのお客様にアテンドしなければなりません。
 勿論団体のお客様にも持論としてはパーソナルサービスをと考えてアテンドしておりますが、サービススタッフ組織としては悲しいかな現実の課題です。
経営者的に大変なのは人件費です。経験上のある施設でのやり方でこの日のシフトを組んだとしますと、社員旅行様は6人の仲居さん、同窓会様は3名の仲居さん+裏方1名、お祝い席様は2名で3組、コンパ付宴会様は3名で2組、個人客様は部屋食で3名、計17名の仲居さんでなんとかこなします。一方100組の個人客様の場合はレストラン(食事処)で50組お食べいただいたとしてもレストランを2回転で廻して8名、お部屋食を3部屋持ちで17名 計25名のスタッフが必要となります。


 以上は極端な例ですが、個人のお客様は大変だというほんの一例です。
本当に大変で、全組の個人のお客様にご満足いただくのは難しいのです。

だからこそスタッフが一丸となり、かなりの個人のお客様にご満足いただけた日は嬉しいのです。
一瞬でもこの気持ちを味わうとやめられなくなります。







リピーター創りのためにPART1

「旅行代理店の手数料が高い」と嘆いている経営者の方は本当に多い。確かに15%~18%は最近の低価格集客路線にあっては痛手です。経営者の方のお気持ちはよくわかります。
 その反面泊まったお部屋やフロントに、「次回宿泊時直接申し込みならこれだけお得!」と謳ってあるプランを見かけることは非常に少ないです。個人的には、手数料に嘆く>プランを作るが10対1位の比率でしょうか?嘆いてばかりでなぜこんな簡単な事をしないのでしょうか。
1泊¥15,000/人のお宿さんが旅行代理店に払う販売手数料は2名宿泊として、概ね¥4,500から¥5,000です。経営者によってお考えは違うでしょうが、この半分の金額を、自分の宿を気に入っていただけたお客様に還元するつもりでプランを作れないのでしょうか?ありがたいリピーター候補のお客様に経費をかけずプランをご案内できるせっかくの機会をみすみす放置しているのに気付かないのでしょうか?
 チェックアウト時にどんなに感動していたとしても、日常生活に戻るとやはり薄れてきます。そのためには捨てられず持っていていただきやすい”名刺サイズ”のおしゃれなカードに、1枚1プランを記載し何種類かチョイスできるようにしてお宿さんに置いてみましょう?「お土産が貰えると嬉しい方」「単純に金額が安くなると嬉しい方」「お料理やお部屋の金額がグレードアップされた方が嬉しい方」などお客様のパーソナルチェックをしながらプランをご提案すれば、きっと今以上の安定経営につながってゆくと思います。

2009年9月26日土曜日

温泉化粧水の旅Ⅰ「由布院みすと」


今まで温泉化粧水(半導体金属触媒で温泉水を分解:特許商品)を扱っているリプラスの福田さんと打ち合わせ。前にも書きましたが、温泉場活性化の一環として以前から興味を持っておりましたが、お話をお聞きしてさらに確信に!

防腐剤がいらない特許製法もそうだし、温泉大国日本のアドバンテージを有効に活かせる商品だと思いますね。→主にアメリカ、フランス、イタリア、台湾など海外にですが。


由布院温泉は古くは万葉の時代から多くの書物に登場し、四季折々に姿を変える由布岳の情景は今も変わらず、自然豊かでのどかな景色を映しています。由布岳の南西に広がる由布院温泉は、800を超える源泉から毎分42キロリットルの湧出量で、別府・草津に次いで全国3位の温泉湧出量を誇ります。豊富な湯量の恩恵を受け、町にはリーズナブルに入浴が出来る共同浴場も数多く点在しております。クセのないさらさらとした湯ざわりは、どなたの肌にも優しく女性にも人気の高い温泉地です。国民保養温泉地にも指定されており、毎年数多くの観光客が訪れています。

ぶろぐ村の先輩でもある「別荘ふるさとの若女将」のブログです。
今日のお題は「栗の渋皮煮、完成」でした。



2009年9月25日金曜日

甲州ワインと京会席のマリアージュPART1  「強羅花扇編」

               甲州でも珍しい「カベルネ・ソーヴィニョン」→

「京料理と甲州ワインが相性が良い」と聞き、京会席とのマリアージュを大変評判の良かった当時の料理長の料理を試食しながら試したいと思ったのが確か今年の6月中旬のこと。それから数日後ホテルの神様が降臨され、縁を結びつけてくださったお相手が「奥野田葡萄酒造」

試食会のレポートは、ワイナリーの奥さまのブログが見やすいので、興味がある方は是非一読されてみてください。

「強羅花扇」退職に伴い断念せざるをえませんでしたが、結論から申しますと、ワインに詳しくなくともお酒をたしなまれるお客様なら、従来のお料理で「楽しい食事のひととき」をさらにグレードアップすることが可能になる手ごたえがありました。

そしてなんといっても一番の収穫は、日本会席のサーブでも食後酒を楽しんで頂けそうな「ミルズ 2008」の存在。雰囲気だけでない新しい和食の提案が見えてきました。






お宿の完全禁煙化 実施リポートPART1


←写真は完全禁煙の宿「強羅花扇」さんです
本年8月まで、立ち上げ期間お手伝いさせていただいた箱根強羅に今年オープンした旅館です。箱根連山を一望する、強羅でも屈指の眺望を誇り、さらには全室源泉かけ流しの客室露天風呂付きということもあり、オープン時顧客数0(ゼロと読んでください(笑)ながら翌月には何とか売り上げの心配をしなくても良くなった、とても親孝行な旅館でした。
やはりこの時代ですから、3月のオープンに際して「禁煙」への取り組み比率を何処まで引き上げるかという事には議論を重ねました。結果「完全禁煙の宿」として一応オープンいたしました。
この≪一応≫という辺りに、およそ65%の方が非喫煙者であり、且つ受動喫煙の問題が騒がれている現代にあっても完全禁煙の宿泊施設が圧倒的に少ない、全国の宿泊業関係者の方の脅えが見え隠れしているのです。

「阿寒グランドホテル 鶴雅」爽快な露天風呂

「阿寒グランドホテル 鶴雅」爽快な露天風呂
サービスマン人生デビューのお宿。どれをとっても日本で有数の温泉リゾートホテルだと思います。大西社長ありがとうございました。

「ホテルサンバレー伊豆長岡」六角檜風呂

「ホテルサンバレー伊豆長岡」六角檜風呂
サービスマン人生2件目のホテルです。損益分岐点が高く苦労しましたがホテル運営の全体像が勉強できた思い出深いホテルです。新田社長ありがとうございました。